骨川家の法則

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■オチは道連れ、豪邸は壊滅

 スネ夫&スネ夫のママは、出力システムの黄金コンビである。初期作品から既にこのオチコンビは定着しており、後期作品になってもずっと初期の超過激なドタバタを引き継いでいるので、ドタバタ時代の遺産とも言える。母親キャラの中でも、一番こっ酷く扱われているのがスネ夫のママだろう。と言うよりもスネ夫のママの人格そのものがこっ酷いのだから仕方がない。更に出力効果は母子だけでなく、その家庭・親戚にまで及んでいることもある。

スネ夫が出力システムの場合は、骨川家はもろとも親戚まで道連れとなり、その被害総額は計り知れない

 これはゴジラにおける東京タワー破壊のようなものである。家族レベルでは最も大きな被害を被っている家庭、骨川家…。

■骨川家破壊オチ履歴

発見場所 オチ発生原因 骨川家の被害 備考
TC2巻
「タイムふろしき」
 鰐革のバックを新品に変えようとして、タイムふろしき(盗品)を被せた。  豪邸にワニ出現。  スネ夫じゃなくてスネ夫のママがやったことですから。この親あって子あり。
 ワニは君達の親戚じゃないか。自慢のペットとして飼ってやれよ。
TC4巻
「月の光と虫の声」
 野比家の庭で鳴く虫を、掃除機で奪い取って来た。  豪邸がゴキブリだらけに。  この漫画には「ゴキブリは貴重な虫の代役」という法則があるから仕方なかろう。
 掃除機をこんな風に扱うとは、さすが小賢しい。
TC4巻
「友情カプセル」
 のび太が友情カプセルを「ポイ棄て」で処理した。  豪邸に関取が侵入。  「ポイ棄ての法則」から直連鎖。
 母親も悲鳴を上げる。相撲取りはワニやゴキブリと同類なのか?
TC4巻
「スケスケ望遠鏡」
 主人公コンビがスケスケ望遠鏡で遠距離から捜索。  豪邸の箪笥の裏に落ちている万年筆と財布を発見され、気味悪がる。  主人公コンビと骨川親子コンビは犬猿の仲。でも少しは感謝しろよ。
 因みにここでは「ざます」ではなく「ざんす」と、撥音便を使っている。
TC5巻
「わすれとんかち」
 記憶喪失の男と、わすれとんかちで殴り合った。  豪邸の住人の方々もろとも記憶喪失に。  金持ちのくせにそんなにお金がほしいのか?
TC7巻
「空飛ぶさかな」
 魚を馴らす薬(盗品)を船長のおじさんに海の中央で蒔いてもらった。  豪邸が深海魚・サメに奇襲される。  母親は机の下に隠れ、箒で追い払おうとしている。
TC15巻
「不幸の手紙同好会」
 主人公コンビが「不幸の手紙同好会」の名簿を作成。  豪邸に大量の不幸の手紙が送られてくる。母親は果てしなく手紙を輸送し、息子は果てしなく手紙を書かなければならなくなった。  迷信は嫌いなのに、不幸の手紙がそんなに怖いのか…。
TC18巻
「ドライブは掃除機に乗って」
 主人公コンビの無生物催眠メガホンにより、ゴミ収集車にされた。  いとこ自慢のスーパーカー(4人乗り)がゴミまみれに。  主人公コンビとスネ夫スネ吉コンビは、この漫画で最も対立の激しい二派閥。戦争まで経験済みなのだから…。
TC19巻
「海に入らず海底を散歩する方法」
 主人公コンビが水避けロープで海原に大穴を開けた。  いとこ自慢のモーターボート(4人乗り)が落下してぶっ壊れ、折り紙の舟とすり替えられる。  オイオイ訴えられるぞ。計4人が意識不明になった海上事故を、折り紙で誤魔化すなよ。
TC19巻
「大雪山がやってきた」
 主人公コンビが北海道の夕日岳を、練馬区ススキが原の公園に持ってきた。  夕日岳で道に迷った出力システム一家が、練馬区ススキが原にワープしていることを知らずに、道路でタクシーを拾って北海道のロッジまで戻る。タクシー代は馬鹿にならない。  意志薄弱児に自慢話をしてしまったばかりに、酷い仕打ち。
 どうでもいいけど半ズボンでスキーをする奴は、漫画でものび太ぐらいだ。
TC28巻
「大ピンチ!スネ夫の答案」
 スネ夫の100点の答案を0点だと思い込んでいる主人公側グループが、救出作戦を実行。  100点の答案が焼き払われ(序でに骨川親子も吹っ飛ばされて)、とうとう母親に見せることが出来なかった。  暗号解きだの、秘密書類を狙撃で焼き捨てるだの、ストーリーが繋がるのなら、ネコ型ロボットにどんな変な道具を持たせても構わないようだ。
TC41巻
「落とし物カムバックスプレー」
 自然を愛する(←建前上)中間出力システムが、キャンプ場のゴミ群にカムバックスプレーを吹き付けた。  きれい好きの家族が住む豪邸に、無数のゴミがカムバックする。  作中で出力システムが「うちはきれい好きだから」と連呼していたのは、全てオチへの伏線だった。
TC43巻
「万能プリンター」
 出力システムが中間出力システムを脅して、虫の音の写真を三十枚程(無料で)作らせた。  豪邸の広い庭にジャイアンの歌声が響き渡り、納涼一家を襲う。  こういう復讐の仕方を「無差別殺人」と言う。
TC43巻
「まわりのお天気集めよう」
 気候集中装置(盗品)を仕掛け、豪邸の雪を積もらせる予定だった。  雪ではなく雨が降った。豪邸、屋根まで浸水  屋根まで水に浸かるということは、火事で丸焼けになるのと変わらないだろう。
TC43巻
「食べて歌ってバイオ花見」
 バイオ植木カン(盗品)を2,3倍の設定で使用。  豪邸、ジャングルと化す。  「まわりのお天気集めよう」と同パターン。
 出力システムのスネ夫は、コンビを組んでいる場合が多い。
TC44巻
「バランストレーナー」
 牛になったバランストレーナーに、真っ赤なスカートを見せてしまった。  豪邸、あばれ牛に荒らされる。出力システム本人は大怪我を負い、別荘行きがとり止めになる。  骨川家だけでなく、他のレギュラーにまで迷惑がかかった。
TC45巻
「自然観察プラモシリーズ」
 自然観察プラモシリーズ(盗品)を屋内で製作。  豪邸、ウルトラザウルスに破壊される。庭の隅で震え上がる一家。  停止液(盗品)をふりかけたから、もう元に戻らない。
TC45巻
「ボトルシップ大海戦」
 船舶瓶詰め機(盗品)を屋内で使用。  ボトルシップの瓶が割れ、瓶の中の海が流れ出す。豪邸、再び浸水するもよう。  練馬区に立地していて、海水被害にまで遭う家屋は珍しい。
FF1巻
「おいかけテレビ」
 おいかけテレビ(盗品)に家の中を中継してもらう。  豪邸中を永遠にカメラに追いかけられ、窓を割られ、トイレの中までも中継させられる。  自己顕示欲の強い親子だこと。
FF1巻
「ふしぎな海水浴」
 自家用車で海へ。  ボートが転覆したり、自家用車が盗まれたりと災難の連続。  この悪運一家に主人公側が救助の手を差しのべた、珍しいオチ。
FF2巻
「ネンドロン」
 ネンドロン(盗品)で母親の顔を整形手術。  手術ミスで親子喧嘩。ネンドロンが散らばって親子もろともピカソの絵の如く顔面麻痺に。豪邸の床は泥沼になってしまった。  すいません、初期ならではのドタバタギャグも、ここまでやられたらとてもとてもついていけません。
CS1巻
「大きくなる虫めがね」
 大きくなる虫めがね(盗品)で、ラジコンのロボットを巨大化させた。  豪邸、巨大ロボットに破壊される。  「巨大ロボットは何が楽しくて豪邸を攻撃するのか?」という質問は、ゴジラに「どうして東京タワーを破壊するのか?」と聞くのと同じくらいの愚問であることは、もう御理解いただけたであろう。

■定義

出力システムが中間出力システムを言い負かす
(この時、「最大定員数の法則」が挿入される可能性大)

中間出力システムが口惜しがり、入力システムに秘密道具を出してもらう
(この時、「ないものねだりの法則」が挿入される可能性大)

中間出力システムが入力システムの秘密道具を用いて、出力システムに自慢し返す

出力システムが口惜しがり、中間出力・入力システムから秘密道具を奪い、濫用する

「再利用の法則」に連鎖

家庭まで巻き添えになる

 この漫画のオチは、のび助オチ以外は間接的に”仕返し”を意味していることが多い。ジャイアンが出力の場合は、肉体的な痛みの仕返しということで、ジャイアン本人一人が痛い目にあって終わりでいいのだが、スネ夫の場合はそうはいかない。精神的な痛みを代償しなくてはいけないから、本人は勿論、自慢や嫌味の根源となった物品まで破壊され、初めてオチとなるのだ。

 大体スネ夫は主人公側の家庭・家柄までも侮辱していることが多く、その仕返しとして彼の家庭が破壊されるのは当然のことかもしれない。主人公側とスネ夫側の対立は戦争そのものだ。しつこいようだが、実際に戦争を起こしたこともある。ここでてんコミ14巻「ラジコン大海戦」について触れたいところだが、どういうわけかあの話は”骨川家オチ”で終わっていないので、割愛。

■結論

 豪邸だから、多少の破壊は許される。これが野比家や剛田家だったら、しゃれにならない


〜「骨川家の法則」観測にご協力いただいた方々〜

ネスえもん氏・まこちん
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