オバQ残余地
山梨県山梨市
題名何にしようかと考えあぐねて、結局見たまんまに走った。
路上に斜めに突き出た3つの突起物は、ブドウを栽培するワイヤーを引っ張るための柱。山梨はブドウの名産地というだけあって、残余地も熱心にブドウ作りに励んでいる。都内ではなかなかない類ではないか。空いた土地にブドウ棚を作ろうと発想する東京人がいない。
柱のエイジング具合から、もう現役ではないのかもしれない。地中にしっかりと固定された柱を撤去するのも面倒なので、時間的・空間的に残余しているわけだ。
斜めの区画に斜めの柱。斜め×斜めって絵になりすぎている。もっと撮影技術があったらなぁ……。
さらにおいしいことに、オバQ残余地のすぐ隣にも残余地があって、こちらには庚申塚と藁で組まれた櫓のようなものが。見ての通り、祭祀空間としての意味づけがなされている。
ちょうどこの櫓を組む作業をしていた地元の方の話によると、集落のカミ・ナカ・シモの3つのY字路に櫓が立っており、どんと焼き的な行事が行われるのだという。
当物件と同じ市内にある砂嘴といい、東京都市圏から一山ほど隔てた世界の残余地は土着的でなんだかゾクゾクする。
残余地に保存され、展示されゆく山梨の民俗文化&ブドウ棚。