スーパーマリオワールドのコース分類について
以前、横スクロール・アクションゲームの面を路上観察の対象にできないか、ゲームの中の「景観」を地理学の視点で考察することはできないだろうか、などという事を真面目に考えていた時期があり、当エセ論文『スーパーマリオワールドのコース分類について』はその時の残骸である。
0.はじめに
任天堂の横スクロール・アクションゲーム「スーパーマリオ」シリーズは、コースのゾーニングが明確になされているゲームである。コースの種類によってBGMも異なり、登場する敵キャラクターの種類なども制限されている。近年、マリオシリーズの様々なハック(改造)ロムがネット上に出回るようになったが、地上のコースに城の敵キャラクターが出てくるなど、コースのゾーニングを無視した(あるいは、ハッカーが理解していない)ような作品がきわめて多い。そのような作品はテーマが掴めないために、飽きやすいと思う。そこで、マリオシリーズにおけるコースは本来どのように分類されるべきか、スーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオワールド』を事例に考察を試みた。
1.地形によるコース系統の分類
スーパーマリオワールド(以下SMW)のコース系統は、主に地形の属性から分類することが可能である(表1)。
| 系統 | 分類 | 地形 | ヨッシー | BGM | 面数(※5) | |||||
| 地形変化(※1) | ||||||||||
| 斜面 | 崖・壁 | 天井 | 親台地(※2) | 子台地(※3) | 浮遊地(※4) | |||||
| 地上系 | 地上面 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ | 「地上」 | 16 |
| 森林面 | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | 「地上」 | 3 | |
| 氷上面 | ○ | ○ | × | ○ | × | × | ○ | 「アスレチック」 | 1 | |
| アスレチック系 | 空中面 | × | × | × | × | ○ | × | ○ | 「アスレチック」 | 13 |
| 水上面 | × | × | × | × | ○ | × | ○ | 「アスレチック」 | 2 | |
| 洞窟系 | 洞窟面 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 「地下」 | 11 |
| 氷窟面 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 「地下」 | 1 | |
| 水中面 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 「水中」 | 3 | |
| ダンジョン系 | ダンジョン | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | 「城」 | 13 |
| ループ面 | × | × | × | × | ○ | × | × | 「お化け屋敷」 | 6 | |
| ボーナス面 | × | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | 「ボーナス」 | 4 | |
※1…ブロック類・大根・ロープ・エスカレーター・階段は含まない。
※2…足場の両側が崖または斜面で限定されており、足場より下の部分に入ることができない地形。子台地の上に重なることはない。
※3…親台地の上に重なっており、足場より下の部分に入ることができる地形。
※4…四方が足場・崖・斜面・天井などで限定された地形。親台地が宙に浮いた形となる。
※5…イベント・隠れ面を除く。なお沈没船はダンジョン、スペシャルゾーン6は地上面の亜種として分類される。
2.各系統の解説
2.1.地上面
マリオ1の1-1から受け継がれる、最もスタンダードな面。敵との戦闘を繰り広げながらゴールを目指すことを主題とする。マリオ3にて多様化し、一旦天井・浮遊地のある総合面(1-1型)と、斜面のある草原面(1-2型)の2種に分離した。SMWでは重力を無視した地形は存在せず、全ての地上面において地上BGMが流れる。
2.2.森林面
コース全体が木々で覆われ、縦方向が一画面分しかない地上面。横方向の密度が濃くなるため、難易度が高くなる。本作初登場であるが、マリオ1.2における元祖地上面を彷彿させるものがある。木の幹により視界が遮られる仕掛けもある。
2.3.氷上面
地上面が氷に覆われ、非常に滑りやすくなったもの。恐竜ランドは熱帯であるため、このような氷の面は極めて少ない。
2.4.空中面
様々なリフトを乗り継いで、長い谷間を渡っていくことが主題のアスレチック面。各エリアのコース3に置かれることが多い。地上面との対比で極端に足場が少ないため、空中面と称される。地形変化は起こさず、大半の空中面は「キノコ台」と呼ばれる子台地だけで成り立っている。大根やロープが崖・斜面の代役をなしている場合もある。
2.5.水上面
空中面にレイヤー3の水面が加わったもの。泳ぐこともできるが、いかに水面に落ちないように進むかというアスレチック的要素が主題である。マリオ3では足場が上下していたが、SMWではスーパーファミコンのハード性能を生かして、レイヤー3の水面のほうが可動する仕組みになっている。ちなみに縦方向が一画面分しかないのは、画面が上がると水面も一緒に上がってしまうため。
2.6.洞窟面
洞穴の中を進む面。地形変化が自由自在であり、地上、アスレチック、水中、ダンジョンなど様々な要素を盛り込むことが可能なため、本作で飛躍的に多様化した。鍾乳洞系と岩窟系の2種類が存在し、前者はマリオ3における総合面(1-1型)に近いオールラウンドなもので、後者はレイヤー2の動く地形・沈む地形などがありダンジョン要素が強い。鍾乳洞系か岩窟系かは、背景で見分けることができる。
2.7.氷窟面
洞窟面が氷に覆われ、非常に滑りやすくなったもの。洞窟面内の隠れ面として置かれていることが多く、氷地形に慣れさえすれば近道・アイテム補充用通路として機能する。
2.8.水中面
泳いでゴールを目指すことが主題の面。SMWでは画面全体が水中となっており、水面の上に上がることはできない。地形は洞窟面のものがそのまま使用されている。
2.9.ダンジョン
トラップをかわしながら建物の中を進み、ボスの部屋を目指すことが主題の面。各エリアの最終コースに置かれている。敵キャラも殆どがトラップ系であり、倒すことができない。なお、ダンジョンがそのまま丸ごと浸水した、「水中ダンジョン」も存在する。
2.10.ループ面
お化け屋敷のこと。普段はありえない”コース内での逆戻り”が多数存在するために、任天堂公式ガイドブックではループ面と称されている。ドアとドアが複雑な繋がりを構成している。迷路のような建物の内部から、ゴールを目指すことが主題である。
2.11.ボーナス面
スイッチの宮殿など、マリオを増殖させることが主題の面。単に1UP系アイテムがそのまま置いてあるわけではなく、ちょっとしたミニゲームとなっている。
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