町角広告塔

東京都八王子市下柚木


 角地が宣伝媒体専用に使われている、ほんの一例。日本の街では石を投げれば看板に当たるほど、看板地帯が多い。日本の街が「薄っぺらい」と揶揄される理由のひとつであろう。彼の辞書に「景観」の二文字はない。角地を”路上の股間”に見立てるならば、こいつはパンツもズボンも穿いていない状態だ。資本主義社会の街がここに剥き出しである。都県道・国道レベルの角地ともなるとさすがに堂々としており、景観の調和を謳い叫ぶ連中には「交差点の角に頭ぶつけて死んじまえ!」とでも言うような勢いがあり感動さえ覚えてしまう。
 こんな風に郊外の車がバンバン行き来する主要幹線道路沿いでは、ついつい人間の商魂が剥き出しになってしまい、看板が塔の如く連なる。バブル期にバンバン立てられたような看板が多いが、ここ最近「空き看板」も目立つようになってきた。角地も角地なりに不況を悟っているのだ。


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