ある小学校教諭の奮闘
■先生限定パターン
ジャイアンの家庭内暴力やのび助の父親実験など、キャラの限定されたパターンを「パーソナル・パターン」と呼ぶとすると、のび太の担任の先生ほど確固としたパーソナル・パターンを持っているキャラはいない。彼が自分のパーソナル・パターンから逸脱した行動を取ることはほとんどない。イメージ通り、とても頑固で硬派なキャラなのである。
先生のパターンとしてまず思いつくのが「道端で出会った児童に宿題について質問する」とか「出力システムの家に家庭訪問に行く」などのシーンだろうが、今更そんなものをつらつらと挙げても面白味がないので、ここではもうちょっとマイナーなものを2つほど挙げてみる。それが「児童とのすれ違い」と「児童との衝突」だ。
そう、彼は自分のパーソナル・パターンに厳格な男だが、そのパーソナル・パターンの種類が豊富なのである。
■その1:児童とのすれ違い
教師という仕事をやっていくには、児童たちとのすれ違いを恐れていてはいけない。信じられぬ児童たちの非行に目を背けず向き合い、対話をしようという姿勢が大事なのだ。
路上ですれ違った非日常(異分子)要素に驚愕するエキストラとして、小学校教諭が出演することが多い |
このパターンを「児童とのすれ違い」と呼ぶ。
■児童とのすれ違い履歴
何がワンパターンかって、ポーズですよポーズ。画像を載せることができないのが残念だ。
発見場所 | ページ・コマ | すれ違ったもの | 驚きのポーズ | セリフ | 備考 |
TC30巻 「空き地のジョーズ」 |
?ページ 1〜2コマ目 |
ジョーズを撃退するべく児童が放った威嚇射撃の流れ弾。 | 白目をむき、口を開け、両手両足を上げてカバンを放り出す | 「ガミガミガミ。こら、先生の話を聞かないか!!!!」 | 路上で砲弾をぶっ放してる児童がいても、めげずに机間指導…いや路上指導しなければならない。 |
TC31巻 「改造チョコQ」 |
167ページ 1コマ目 |
改造された未来のチョコQで暴走する児童。 | 左目を見開き、口を開け、左手と左足を上げる | 最初に発見したすれ違いネタ。このコマを見た時、デジャヴが脳裏をかすめた。 | |
TC42巻 「かくれん棒」 |
62ページ 8〜9コマ目 |
「かくれん棒」によって姿の消えた児童に、大声で「ワッ」と脅かされる。 | 髪の毛を逆立て、両目を見開き、口を開ける | 「な、なんだなんだ!?」 | のび太が姿を消していなかったら、すぐさま「宿題について質問する」いつものパターンに陥っていたことだろう。 |
大長編 「のび太の宇宙小戦争」 |
73ページ 5コマ目 |
裏山を驀進するラジコン戦車の編隊。 | 髪の毛を逆立て、左目を見開き、口を開け、右手と右足を上げる | 「な、なんだありゃ………」 | この教師は放課後裏山を徘徊する癖があります。でも、そのおかげで大長編に出られて良かったね。 |
CS2巻 「陸上ボート」 |
147ページ 5コマ目 |
公道をモーターボートで暴走する児童。「先生、こんにちは」と挨拶される。 | 右目を見開き、口を開け、右手と右足を上げる | 自分の教え子が2人も暴走に足を入れていることを知ったときのショックは、そりゃ大きいだろうな。 | |
CS3巻 「ラジコンのもと」 |
88ページ 3コマ目 |
公道を暴走する「乗用土管」。 | 髪の毛を逆立て、両目を見開き、口を開け、左手と左足を上げる | 先生本人ではなく、先生のソックリさん(髭がある)が出演。きっと本物は忙しくて出られなかったんだろう。 |
他にも発見された方は、掲示板で報告して下さい。
■その2:児童との衝突
教師という仕事をやっていくには、児童との激しい衝突を恐れてはいけない。体を張った愛のムチで児童とぶつかりあうことで、教師もまた児童と共に成長して行くのである。
街中で児童と衝突し、叱りつけることで、その児童を出力システムに変換する |
このパターンを「児童との衝突」と呼ぶ。
■児童との衝突履歴
発見場所 | 指導対象 | 衝突時の状況 | 衝撃音 | 説教 | 備考 |
TC5巻 「ばっ金箱」 |
ジャイアン | ばっ金箱の監視から逃れようとして走ってきたガキ大将に追突される。 | ドシン | (セリフはないが、ぶつかったことについて叱りつける) | いつどこから児童からの暴力が来るかも分からない。体を張った指導も大変だなぁ。 |
TC5巻 「ひらりマント」 |
ジャイアン | ひらりマントで吹き飛ばされたガキ大将と正面衝突。 | どしん | 「気をつけて歩きなさい」 | 先生よ、ガキ大将の暴走を受け止めてやることができるのは貴方の体だけだ。 |
TC30巻 「空き地のジョーズ」 |
のび太 | ジョーズを撃退するべく児童が放った衝撃波に吹き飛ばされる。 | ドコ | 「ガミガミガミ。こら、先生の話を聞かないか!!!!」 | 「すれ違い」と「衝突」のどっちに入れようか迷ったが、両方の要素があるので両方にカウントした。 |
TC42巻 「右か左か人生コース」 |
のび太 | ガールフレンドの家へと急ぐ意志薄弱児と正面衝突。 | ☆ ☆ | 「たくさん宿題をだしたはずだが、こうして出歩いてるとこをみるとぜんぶやったんだろうね。なにまだ!?ガミガミガミ」 | 放課後学校で仕事もせずに出歩いてるあんたは何なんだ? |
CS1巻 「とうめいハンド」 |
ドラえもん | とうめいハンドで後ろに押し戻された意志薄弱児指導員に追突される。 | ドン | 「歩くときは、ちゃんと前をみて!」 | 自分の教え子でない者もしっかりと叱りつける。貴方は教師の鑑だ。 |
他にも発見された方は、掲示板で報告して下さい。
■結論
児童が徒歩移動している時に教師にエンカウントすると、宿題・成績について質問される。
児童が走って移動している時や、ぶっ飛び状態で教師にエンカウントすると、「児童との衝突」が発生する。
児童が乗り物に乗って移動している時に教師にエンカウントすると、「児童とのすれ違い」が発生する。