父親実験シーンの実態

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■父親実験断固反対!

 のび太のパパはオチ専用キャラだとドラ・パターンは言い続けているが、「オチ以外にもたくさん出演しているじゃないか」と思った人もいるだろう。だがオチとは、クライマックスだけに存在するものではない。ストーリーの途中でも、出力システムは秘密道具の実験台として度々活躍している。特に野比家の大黒柱・のび助が…。

 のび助のいる所にオチあり。クライマックスでなくとも、パパの出演箇所は全て”パパオチ”の一種だと考えてよい。そりゃ「パパもあまえんぼ」等のパパが主役の話は別格だけど、「わすれ鳥」や「アドベン茶」など、最初からパパが登場していて最初から最後までオチづくしという過酷な例も多い。

■父親実験台履歴

 作品中世界派的に考えればたちまち昭和50年代の「父親廃棄論」なんかが絡んできて、かなり深刻な問題になるのだろうが、ただのパターンだと思えば軽い軽い…。

 ともかくこの実験台パターンは、読者に秘密道具の内容・危険性を伝えるための、ストーリー上でかなり重要な存在であると思う。また、「この道具を使うとどうなってどうなるか…」という伏線になっているので、クライマックスのオチよりも注目すべきである。

 しかしただのパターン漫画と言えども、あまりにも凶悪なものについては印を付けさせてもらった。

発見場所 実験者 実験内容 備考
TC1巻
「○○が××と△△する」
ドラえもん  「予定メモ帳」のおかげでお菓子屋からドラ焼きをもらってくる。  居候させてもらっている家の主を、こうも簡単に使いっぱしるとは…。
TC6巻
「温泉旅行」
ドラえもん  室内旅行機の立体映画が写し出す豹にビビって逃げ出す。  悲鳴はやっぱり記号。パソコンで表現できないから、ネット上の藤子ファンはみんな困っている。
TC7巻
「エスパーぼうし」
のび太  テレキネシスにより、灰皿を額にぶつけられる。  唯一の楽しみをも奪われた父。ずっと灰皿を待っていたのに…。
TC11巻
「ネジまいてハッスル!」
ドラえもん  昼寝中にネジを巻かれて大暴走、壁に衝突して意識不明。  休暇となれば大体父親は昼寝しているので、ネコ型ロボットがこのチャンスを見逃さないわけがない。54ページ8コマ目が完全に説明のコマ。
TC12巻
「カミナリになれよう」
のび太   「(タバコに火を)つけてあげるよ」と頭上に雷を落とされ、タバコもろとも全身黒こげにされる。  のび太のこの楽しそうな顔。
TC13巻
「もどりライト」
のび太  祖古梨さんとの楽しい酒盛りを、宿題をするという名目で息子に台無しにされる。  パパそのものにもどりライトをあてたらどうなるんだろう。そこには名も顔もない、オチ用パターンの断片が…(本題と関係なし)。
TC13巻
「風神さわぎ」
のび太  強力なうちわで煽られ、浴衣を吹き飛ばされる。  のび太のこの嬉しそうな顔。
TC15巻
「階級ワッペン」
のび太  家来にされ、マンガ10冊買いにいかされる。(駆け足で)  母親もセットで。
 せっかく気持ちよく鼻糞穿りながらくつろいでいたというのに…。
TC15巻
「騒音公害を
カンズメにしちゃえ」
のび太  3度にも渡って父の休息を妨害し、300円ユスる  隣人・道路工事士ぐるみで父親実験、のび助四面楚歌。父はオチを含めて計4回騒音被害に遭い、昼寝できず悪夢の日曜日となる。
TC22巻
「メカ・メーカー」
のび太
ドラえもん
 「マッチ持ってきてよ」と請求した途端、空中戦艦によりタバコと顔に火をつけられる。  実験者の2人は何の躊躇いもなく、家の外へと闊歩してゆく。
TC24巻
「忘れ物送り届け機」
のび太  雨が(まるで天候がストーリーに歩幅を合わせているかのように)降ってきたので、パパへ傘を送ってあげる。  その後のドラのセリフ「俄雨だからやんじゃったよ。きっとあの傘忘れてくるよ
 バカにするな!
◆◆TC25巻
「のび太のスペース
シャトル」
のび太  強力なストローで吹き飛ばされ、鏡に頭を叩き付けられる  ストローで吹くほど、彼は父親のことを軽視していたのか。
 とにかくこれは強烈に痛い!
TC26巻
「おもかるとう」
ドラえもん  新聞に押し潰される。  新聞に押し潰される以前に、彼は妻の圧力に押し潰され続けていて、一言も喋らず黙々と食事をしているシーンも印象的である。一体この人の存在感は何処へ?
TC34巻
「見たままベレー」
ドラえもん  ゴルフで優勝したときの夢を、寝たまま描かされる。  夢に黙秘権はない。更に休日に昼寝する権利ももはや無い。
TC36巻
「貸し切りチップ」
ドラえもん  ゴルフを見るつもりが、貸し切りチップにより麻雀に誘われることに。  本人は麻雀に行けたので、被害は被ってはいないはず。
TC36巻
「ツモリナール」
ドラえもん  ツモリナールによって、ゴルフを見たつもりになる。  同じ巻に2度もパパのゴルフ番組ネタが出てくるので、デジャブかと思ってしまうよ。
TC38巻
「ねながらケース」
ドラえもん  一ヶ月も前から睡眠中にジョギングさせられていた。  昼寝中どころか夜寝中にまでネコ型ロボットのいいように使われていた。
TC39巻
「ざぶとんにもたましいがある」
のび太  一家の主が自分の家の家具共に、「汚い尻を乗せるな」「教養番組も見ろ」等と罵られ、挙げ句の果てには放屁しただけで座布団にひっくり返される。  「ざぶとんにもたましいがある」以前に「おとうさんにもたましいがある」んだよ。彼は物を粗末にするような行為は一切していないのに…。一家の主が「なんとなく座るのが悪いような気がする」とは哀れな。
TC40巻
「台風トラップと風蔵庫」
のび太  ドライヤーが動かないので「助けてあげよう」と、台風を父の頭部に翳す  実に素晴らしいパーマに。
TC42巻
「断ち物願掛け神社」
のび太  息子に勝手にタバコを断ち物願掛けされる。  顔面がコーヒーまみれ、タバコはグシャグシャになり、タバコ屋は休業、自動販売機は故障で人生最悪の日に。 
TC43巻
「強〜いイシ」
ドラえもん  実験者の期待に答えて禁煙を破ってみせたが為に、顔中ボコボコ。素晴らしい見せしめになった。  今更触れるまでもないが、118ページ最後のコマの「実験してみよう」が決定的な証言。
TC45巻
「強力ハイポンプガス」
のび太  サービスで父親にいい風を送ったが、そのまま飛ばされて「窓からポイネタ」に。  もしかしたらパパは本当に軽い存在なのかもしれない。
FF6巻
「お返しハンド」
のび太
ドラえもん
 居間で昼寝をしていたら息子につまずかれ、その痛みの代償として「お返しハンド」に殴られそうになり、ドラえもんに「隠れなさい!」と、ゴミ箱に捨てられる  自分の親につまずくなよのび太。ドラえもん、一家の主をゴミ箱に捨てるなよ
 父のセリフはなく、「?」のみ。捨てられたのび助の頭上には、ご丁寧にもハエが回っている。どこまで父親を邪魔者扱いするつもりだろうか。単に
「初期ならではのドタバタシーン」では済まされないぞ!!
◆◆FF8巻
「チクタクボンワッペン」
のび太
ドラえもん
 しゃっくりを止めさせるために、時限爆弾を父親の背中に貼り付けて爆発させる  しゃっくりが止まらないのと、全身黒こげになって火傷に悶えるのでは、どちらが苦しいのでしょう?
◆◆FF17巻
「つきぬけざぶとん」
のび太  棚の上に荷物を置いている父親の脇腹を壁の反対側からくすぐり、荷物ごと転落させて傷だらけにさせる。さらに、激怒した父親を誘き寄せて壁に衝突させる  これは完全たる家庭内暴力である。児童相談所に持ち掛けるべきだ。戦後における父親の権威の消失は、少年の非行化をこんなにも加速させているのである。
CS3巻
「ラジコンのもと」
のび太
ドラえもん
 昼寝していたら突然、顔面を雑巾で拭かれる。  カラー作品は低学年向けに描かれたものだから、パターンもとことんまで単純な、捻りのないものになっている。
 しかし、その雑巾はしっかり床を雑巾掛けしたものである。
CS3巻
「なおしバン」
玉子  直るはずのない掃除機を修理させられる。  「のびちゃんすごい。」 パパはすごくない。
CS4巻
「こごとひらいしん」
のび太  「小言避雷針」を頭に乗せられ、息子の担任と自分の妻から説教される。  冷や汗までかいている。
CS4巻
「とりかえミラー」
のび太  小遣い1000円強請る。  父親などいなかったほうが、のび太のためになったのかもしれない。

 他にも発見された方は、掲示板で報告して下さい。

■父親実験を定義する

父がなにかしようとしている。

しかしそのためのワーク(材料)が欠けているか壊れていて困っている。
(「エスパーぼうし」の場合は意図的にワークを取り上げられて)

息子が秘密道具を転用して、役に立ってあげようとする。

予想外な展開になり、結局父が痛い目にあう。

 というのが基本パターンだが、とかくその凶悪さには驚かされる。「お返しハンド」なんかは父を実験台にするどころか、父の存在など知る由もないのだから…。


〜「父親実験シーンの実態」観測にご協力いただいた方々〜

影月氏・じゃが式戦車氏・銀河満月氏・ポピー氏・KKK氏・ウミ

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