失笑の法則

【戻る】


■人の不幸を嗤う人々

 阪神大震災が起こった直後に発売された文庫版「キテレツ大百科」では、キテレツが地震を造るという話が不謹慎だとしてまるまる削除されてしまったというが、今からここで紹介しようとしているネタは、それとは全く逆の方向を行くものである。

 この漫画には「人の不幸を笑うな!」というセリフが往々にして出てくるが、本当にこの漫画には、人の不幸を笑う人間が多い。しかも笑われる側の不幸さときたら、火事に遭ったり、ペットや人が死んでしまっていたりと半端じゃない。パターンマンガなので「これはパターンだから」で済むが、現実世界でやったら大問題ではないだろうか。

(中間)出力システムが、他人の身の上で起こった不幸話を聞く。

笑い出す。

大変なことになる。

 

 ではなぜ(中間)出力が笑い出してしまうのかと、別に彼らが緑の葉っぱでラリってるとかいうわけではなく、

【発生原因1】何者かにくすぐられて
【発生原因2】自ら精神操作系の秘密道具を使用中に

 この2通りの原因が考えられる。一つは肉体的なくすぐりで、もう一つは精神がくすぐられている状態である。まぁ、緑の葉っぱでラリってるのと変わらないな。

■失笑履歴

発見場所 話し手 聞き手 身の上話 聞き手の反応 備考
TC4巻
「石ころ帽子」
おばさん 玉子 「まあ。おたくのおぼっちゃんが?今年も大学入試に失敗なさったの」 キャハハ
ゲラゲラ
 話し手のおばさんは、涙を流してまで悲しんでいるのに…。
TC8巻
「わらってくらそう」
玉子 のび太 「ママは生まれてから、今日の授業参観ほど恥ずかしい思いをしたことはありません」 クスクスクス
フヘヘヘ
グフフフ
イッヒッヒ
 主婦の人生38年間の最上級などどうでもいいらしい。
しずか 「うちのカナリヤが死んじゃったの」 プーッ
ク・ク・ク
ゲラゲラ
 しずかの犬が死んだ時は、必死になって生き返らせたくせに。まぁ、どうせこの鳥は生きてたってノラネコのクロに食われるか、籠から逃げるかのパターンしかないけどな。
ジャイアン 「ひとのふこうが、そんなにおかしいか。そうか…、おまえはそういうやつか…」 ウヒヒ
イヒヒ
 71ページ2コマ目と3コマ目のジャイアンの顔。血の通っている人間なら、笑わずにはいられないだろう。
 というか何なんだこの話は。失笑ネタだけで終わってしまったぞ。4ページしかないし。
TC24巻
「漫画家ジャイ子」
おばさん のび太 「大変だったのよ。ゆうべ火事にあったんですって」 ギャハハハハ  型の話で、中間出力のNと出力のSが、それぞれ失笑ネタを披露している。
ジャイ子 スネ夫 「ギャグはやめて、悲しい悲しいメロドラマをかいたんだよ」 ウギャハハ
ゲラゲラゲラ
TC25巻
「四次元ポケットに
スペアがあったのだ」
ドラえもん 「ほう、まだ子猫のとき捨てられて?苦労したんだねえ」 ウヒャハハハ  ネコ、キレる。
FF2巻
「くすぐりノミ」
おばさん 玉子 「まあとうとうお亡くなりに。お気の毒・・・・・」 ゲラゲラ
エヘヘヘ
ワッハッハ
 オイオイF先生ときたら人まで殺しちゃってるよ。FFランド版ではこういうヴァイオレンスなネタは珍しくないから、最近の生易しいアニメで育った子は注意して読みましょう。
FF3巻
「マジックボックス」
ジャイアンの母ちゃん ジャイアン 「またお友達に乱暴したねっ。ガミガミガミガミ」 ワハハ
ゲラゲラ
ギャハハ
 「くすぐり」と「母親」というガキ大将の弱点を2つもつき、弱者は強者に復讐する。
FF9巻
「コチョコチョ手袋」
しずかのママ スネ夫 「スネ夫さんはお行儀がいいのね」 プーッ
ホヘヘヘ
ギピギピ
 「コチョコチョ手袋」というサブタイトルでもう、どんな話か分かった。作者はきっとくすぐりフェチなのだろう。スネ夫君は笑い過ぎてお漏らししちゃっています。女の子の家の中で。ああいう口の形してるから、「ギピギピ」なんて笑い声が出るのだろう。
FF9巻
「くすぐりノミ」
しずか のび太 「キンギョが・・・シクシク・・・死んじゃったの」 それは・・・
ゲラゲラ・・・
ああ おかしい
 「シクシク」と「ゲラゲラ」のゴロが合わせられているのね。

 他にも発見された方は、掲示板で報告して下さい。
 ※笑ってしまった原因が、話し手のほうにあるものは含まない。(例:TC16「シンガーソングライター」の、ジャイアンの顔を見て吹き出すドラ)

 「くすぐりノミ」という作品が、しつこく二回も出てきて、しつこく二回も失笑ネタを発生させている。結構、作者のお気に入りなのかも知れない。

 しかしこの、リストを作って見てみると思わずこっちも吹き出してしまう面白さよ。アッハッハッハッハッ…。


〜「失笑の法則」観測にご協力いただいた方々〜

こうへい

【戻る】